フランス料理の歴史
私たちが知っているフランス料理は16世紀のイタリアからやってきました。
当時のフランス人たちは、パンや果物はほとんど口にせず、肉が中心で、特にパイやパテを多く好んで食べていました。フランスのアンリ二世の元にイタリアから嫁いできたカトリーヌ・ド・メディシスは、専属の料理人を連れてやってきました。カトリーヌ・ド・メディシスの連れてきたシェフ達によってフランスの宮廷内で作られた料理が、現在のフランス料理の原型と言われています。
主食であったパイやパテが減り 、そのかわりに魚や野鳥、鹿肉がテーブルに並ぶようになりました。これがきっかけとなり、フランス料理はブルボン王朝の最盛期を経て、その後、長い年月や歴史の中で徐々に発達していき、現在のフランス料理になっていったのです。
現在では、フランス料理はフランス以外の様々な国で食べられる人気の料理です。
フランス料理に使われるソース
フランス料理で使われるソースの歴史は中世にさかのぼります。クラシックなフランス料理(19世紀から20世紀「ヌーベル・キュイジーヌ」と呼ばれます)では、ソースはフランス料理の特徴を決める重要なものでした。
19世紀になってから、シェフのアントナン・カレームにより「基本ソース」をもとにソースが4つに分けられました。
ソース・アルマンド sauce Allemande、卵黄とレモン汁(少量)
ソース・ベシャメル sauce béchamel、小麦粉と牛乳
ソース・エスパニョール sauce Espagnole、焼いた骨を含むブイヨン(牛肉など)
ソース・ヴルーテ sauce velouté、鳥、魚、子牛肉などの、焼いた骨を含まないブイヨン
20世紀にはいると、オーギュスト・エスコフィエが「ソース・アルマンド」を卵をベースにしたオランデーズソースと、トマトソースをつけ加えました。エスコフィエが付け加えた分も含め、ソースの種類は現在のシェフにも教えられています。
ベシャメル
エスパニョール
オランデーズ
トマトソース
ヴルーテ
現在調理に使われているソースは基本ソースをもとにしたものです。
フランスのお菓子とパン
フランスといえばクロワッサン、バゲット、そして美しいお菓子なしには語れません。
パンはオーストリアの皇女マリーアントワネットがフランスに。お菓子は、メディチ家のカトリーヌがアンリⅡ世に嫁ぐと きに連れてきた菓子職人たちがフランス菓子の原型を作り上げました。
フランスが小麦を育てるのに適している国ということもパン食文化の発展とは切り離せません。小麦がよく育つ土壌環境を持っているため、小麦本来の風味を楽しめるパンなど、形、種類もたくさんあります。フランス人ほどパン好きな国民はいないかもしれません。
フランスパンは同じ小麦粉を使っているにもかかわらず、作り方の違いで名前も変わり、味まで変化します。
食感の違いなど、それぞれまったく異なります。バゲットだけでなく、クロワッサンやブリオッシュなど、バターをたっぷりと使用した「エビノワズリー」と呼ばれるパンは、朝食にカフェオレと一緒に食べるのがフランス風です。